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会社設立の際に考えておきたい【事業年度決定の4つのポイント】

2021.12.16独立・起業

fiscal year

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今から、自分で会社設立する、司法書士さんにお願いしたけど、会社の事業年度はどうやってきめればいいの?
いつがいいの?また何かポイントはあるの?と事業年度を決める際にとお困りの方も多いのではないでしょうか。

今回は、法人を設立する際に考えておきたい【事業年度決定の4つのポイント】ということで記載してみます。今回の記事を読んでいただくことで、個人事業主時代にはなかった、事業年度の考え方や、自社において事業年度はどのように決めればよいか分かるようになります。事業年度の決め方で悩んでいる方は、是非参考にしてみて下さい。

事業年度とは

法人の場合、会社設立の際には事業年度(決算期)を決定しなくてはなりません。
その事業年度を一の計算期間とし、その期間で収入や経費を計算し、決算書や財務諸表を作成します。

個人事業主には事業年度という考え方はなく、確定申告の計算期間は暦年(1月1日から12月31日)となります。
その計算期間は 毎年 1/1~12/31の1年間で変更することはできません。
そして、個人事業主確定申告書の申告期限は毎年3月15日となります。

一方、法人の場合、事業年度は1年以下、1ヶ月単位で任意に決定することができます。
そのため事業年度(計算期間)は任意に設定することができます。
また、法人の法人税・消費税申告書の申告期限は原則、事業年度終了月の2月以内となります。

法人の事業年度の具体例

12月決算の会社Aの場合

事業年度1/1~12/31日
法人税・消費税申告期限 2月末

3月決算の会社Bの場合

事業年度4/1~3/31日
法人税・消費税申告期限5月末

A社は12月決算、B社は3月決算と、法人の場合には計算期間を任意に設定することができます。

ポイント 法人の事業年度は下記の1~4のタイミングから考えます

  1. 税金の支払い、資金繰りのタイミング
  2. 業種ごとの繁忙期、会計事務所の繁忙期は避ける
  3. 決算予想
  4. 役員報酬の決定時期

①税金の支払い、資金繰りのタイミング

法人の場合、事業年度の2か月後の法人税・消費税の申告期限に、法人税と消費税も納付する必要があります。
基本的に法人の場合、法人税と消費税を納付するタイミングがは一年間の中で税金の支払額が最も大きくなることが多いです。
資金繰りが良くない時期と法人税、消費税の支払いと重なると資金繰りを悪化させてしまい、経営にも影響が出てしまいます。その為、法人の場合には、資金繰りが悪い時期と税金の支払いのタイミングはずらした方が良いでしょう。

また、他の税金の支払い予定表ものせておきますので、資金繰りのスケジュールより事業年度を考えてみましょう。

参照:税のカレンダー (nk-net.co.jp)

国税関係 地方税関係
1月
  • 源泉所得税の納期の特例分の納付(10日(又は20日)まで)
  • 固定資産税の償却資産に関する申告
  • 普通徴収による個人住民税第四期分の納付
2月
  • 贈与税の申告と納付(3月15日まで)
  • 固定資産税・都市計画税第四期分の納付
3月
  • 所得税確定申告書の提出と納税
  • 個人の青色申告承認申請
    (いずれも2月16日から3月15日まで)
  • 個人の消費税の申告納付(末日まで)
  • 個人住民税・事業税の申告と個人事業所税の申告納付(15日まで)
4月  
  • 固定資産税・都市計画税第一期分の納付
5月
  • 所得税の延納税額の最終納付
  • 自動車税の納付
6月
  • 所得税予定納税額の通知
    同減額申請(7月15日まで)
  • 普通徴収による個人住民税第一期分の納付
  • 住民税特別徴収税額の納期の特例分の納付(10日まで)
7月
  • 源泉所得税の納期の特例分の納付
    (10日まで)
  • 所得税第一期分予定納税
  • 固定資産税・都市計画税第二期分の納付
8月
  • 個人の消費税の中間申告納付(末日まで)
  • 個人住民税第二期分の納付
  • 個人事業税第一期分の納付
10月  
  • 普通徴収による個人住民税第三期分の納付
11月
  • 所得税第二期分予定納税
  • 個人事業税第二期分の納付
12月  
  • 固定資産税・都市計画税第三期分の納付
  • 住民税特別徴収税額の納期の特例分の納付(10日

②業種ごとの繁忙期、会計事務所の繁忙期は避ける

2つ目はその法人の繁忙期、会計事務所の繁忙期は避けた方が良いということです。
法人の繁忙期についてですが、単純に法人の繁忙期は忙しいということもあり、中小零細企業の場合、経理の方が現場を兼業されていることも多いため、決算準備に時間が割きにくいというデメリットがあります。

また、会計事務所に依頼されている方は、会計事務所の繁忙期は避けた方が無難かもしれません。
会計事務所の繫忙期は主に1~3月、5月となります。この時期を避けた方が無難な理由は、会計事務所の繁忙期は担当者とのコミュニケーションが取りにくいことが考えられます。決算作成の際のコミュニケーション不足はトラブルの原因になりますので気を付けましょう。事業年度決定の際には参考にしてみてください。

③決算予想から考える

もう一点は決算予想より考える視点があります。やはり、法人の繁忙期には売上高も大きくなります。事業年度の末が繁忙期であると、事業年度末に大きな売上が計上されることになります。事業年度末に大きな売上が計上されると、決算予想をしにくいというデメリットがあります。そのため、法人の繁忙期、売り上げの大きな時期は事業年度の最初の方にくるよう設定すれば、落ち着いて決算の準備ができ、決算の予測もブレが少なくなるということになります。

④役員報酬の決定時期から考える

役員報酬は事業年度開始時から3ヶ月以内に決めなければなりません。つまり、役員報酬について変更ができるのは年1回のその期間だけということになります。会社から個人がお金を取れる方法は配当又は役員報酬となり、役員報酬変更することができるのも原則年に1度の事業年度開始時から3ヶ月以内のため、個人の資金繰りを考えた上で事業年度を決めることも考えられます。

事業年度は後からの変更も可能

①~④をお読みになり、それならば自分の会社も事業年度を見直したいという事業者の方や、
新規で法人を設立された事業者で何も考えず事業年度決めてしまったという方もいらっしゃると思います。
そういう方も大丈夫です。事業年度は後からでも変更が可能です。

事業年度は、株主総会を開催することですぐに変更することが可能ですので、上記4つの理由より変更を検討されてもいいかもしれません。

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