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【資本金額は1円でいい?】会社設立の際に知っておきたい資本金額決定の4つのポイント!

2021.12.27創業融資

capital

会社設立時の資本金額決定の4つのポイント

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現在、法人成りや新規設立にて法人設立をご検討の方で、
いったい資本金はいくらでの設立がいいだろうと悩んでいる事業者の方も多いのではないでしょうか?

今回は、今から法人設立を考えられている事業者向け資本金を設定すれば良いかを下記の4つの視点より記載してみようと思います。

①開業当初の運転資金、個人の資金繰り
②取引先情報、資金調達
③許認可の基準
④税負担

ブログ記事を読んでいただくことで、自社の資本金の設定の際の一つの目安を見つけることができるようになります。

会社設立で資本金の額に悩んでいる方は是非参考にしてみて下さい。

開業当初の運転資金、個人の資金繰りから資本金を決める

まず、資本金の額を開業当初の運転資金の視点から考えてみましょう。

例えば、新設法人で4月設立の会社が4月分の売上の入金サイクルが翌月末の5月末の場合、会社は凡そ2ヶ月間、資金を立替ないといけません。その出資した資本金の額が少ないと、売上入金迄の立替ができず、すぐに支払が滞ってしまうことになります。その為、立替額が大きい業種や、入金サイクルが長い事業者の場合は、多めの資本金を準備する必要があると言えます。

また、立替分の資本金を準備できない場合には、銀行融資を依頼する、若しくは個人で会社へ貸付けることになります。

銀行融資が受けられる場合は問題ありませんが、銀行融資が難しい場合には、ある程度資金の余裕をもって資本金を準備する必要があります。

一方、出資する個人の資金繰り面から考えるとどうでしょう。

会社設立で資本金を出資する際の注意点として、資本金は一度会社に出資すると原則、取り出すことができません。
一度会社に個人のお金を入れてしまうと、資本金は会社の資本となってしまうため、今後個人で自由に使うことができなくなります。

例えば、個人の手元に500万円があり、現在、使っていないということで全額500万円を会社の資本金に入れてしまうと、原則その500万円は役員報酬又は配当でないと個人へ支払うことができません。

資本金を役員報酬を通して個人へ支払うと、所得税、住民税、社会保険料と税金を支払わないと個人の手元へ戻すことができませんので、資本金を500万円会社へ出資したけれど、役員報酬で支払うと手元に350万円しか返ってこなかったということになりかねません。

その為、個人の生活費等の資金繰りも考え、資本金を多く出資しすぎるのも良くないことになります。

個人の資金繰りに余裕を持てる金額を確保したうえで、会社の資本金を決めることが重要になります。

『個人事業主が法人化を考えた時に 事前に知っておきたい 【5つのこと】』のブログにも法人設立の際の注意点を記載していますので、参考にしてみて下さい。
https://tanaka-takahiro-tax.com/blog/blog-121/

取引先情報、資金調達の観点から資本金を考える

2番目の取引先情報、資金調達の視点から資本金の額を考えてみましょう。

株式会社は1円から設立可能となっておりますが、
決算書、資金調達の観点から考えると資本金は1円での設立がいいのかというとそういうことではありません。

現在、法務局に行くと誰でも簡単に、株式会社や合同会社の登記簿謄本を取得することができます。その登記簿謄本には資本金の額が掲載されるため、もし取引先が自社の謄本を閲覧した際に、資本金の額が1円であれば取引先は不安を覚えるかもしれません。この会社は大丈夫≒信用のある会社だろうかということは、通常、取引開始までは、公的な登記簿謄本や東京商工リサーチの企業情報を頼ることになるでしょう。

その為、資本金が少なすぎる会社は新規取引先への情報公開の点からは不利に働くことの方が多いでしょう。

次に、資本金が小さい会社を資金調達、銀行融資の点から考えてみましょう。通常、銀行は債務超過の会社への融資は敬遠します。債務超過の会社とは会社の債務が資産より多い状態の会社をいいます。資本金が1円の会社を設立してしまうと、設立の1期目に赤字が1円より多く出てしまえば、その瞬間から会社は債務超過となり、銀行融資の審査も厳しものとなります。

その為、取引先情報、銀行融資の側面を考えると資本金1円での会社設立は、おススメできません。

許可取得の要件より資本金を考える

3つ目に一般建設業の許可の取得要件より資本金を考えてみましょう。

建設業許可(一般)は、財産的基礎要件として500万円以上の資産を保有していることが要件とされています。
その為、建設業を営まれている事業者は、株式会社設立時に資本金を500万円以上とすることで要件が満たされますので、資本金500万円での設立が考えられます。

また、特定建設業の許可を得る為には、資本金が2,000万円以上必要のため、
将来建設業許可を取得予定の法人は、500万円、2,000万円という資本金の基準が建設業許可で意識するべき資本金の額となります。

税負担面で資本金を考える

最後に消費税、法人市・県民税の均等割の税金の額から資本金を考えることもできます。
この消費税、法人市・県民税の均等割は資本金の額により税金が変わる可能性があります。

消費税の場合、通常、資本金の額が1,000万円未満であれば会社設立1期目、2期目の会社は消費税の納税義務がありません。ただし、資本金が1,000万円以上だと1期目から消費税の納税義務が発生してしまうことになります。

その為、何気なしに資本金の額を1,000万円以上にしてしまうと、1期目から消費税がかかり、思わぬ税負担が発生してしまうかもしれません。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm 
参照:国税庁No.6501 納税義務の免除

また、法人を設立すると、法人の事業所が所在している県と市に対し会社が赤字の場合でも、法人県民税、法人市民税の均等割りがかかります。

その均等割は資本金額と従業員数が基準を超えると納税負担が大きくなります。

例えば、愛媛県と松山市の法人市民税の均等割額は1千万円以下、1億円以下、10億円以下を基準に従業員数に応じ金額が異なります。
https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/tetsuzuki/zeikin/houjin/houjinsiminzei.html
参照:松山市 法人均等割
https://www.pref.ehime.jp/h10500/5000/kenzei13.html 
参照:愛媛県民税 均等割

上記のように、設立時に設定する資本金の額によって1期目より消費税が発生したり、県と市に支払う均等割の税額が変わりますので参考にしてみて下さい。

会社設立時の資本金の決め方のまとめ

今回は①開業当初の運転資金、個人の資金繰り②取引先情報、資金調達③許認可基準④税負担の面から資本金を考えていみました。

①~④の結論から、資本金は大きければ大きいほど良いというものでなく、また、少なすぎてもいけないということになります。

やはり、設立時の環境や目指すべき目標、会社設立の目的等にもよって最適な資本金の額は変わってきます。

上記4つの視点から、自分の会社の資本金を決める際の参考にしてみて下さい。

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